コロナウイルスの影響で世界中のフェスやイベントが中止・延期になり、音楽業界も大打撃を食らっている中、予定通り開催された ULTRA AUSTRALIA にメルボルン在住の筆者が参加してきた。
海外のフェスに参加してみたいけど海外だとちょっと怖い……という人も、ぜひこの記事を読んで海外フェスを思い描いて欲しい。


2018年10月以降、Jeffrey Sutorius という別名義でソロ活動してきた Dash Berlin(ダッシュ・ベルリン)が Ultra のステージに帰ってきた!
セットリストも豪華に仕上がっており、Armin Van Burren の "Something Real" から始まり、会場のオーディエンスの心を掴むと、自身の大人気曲 "Heaven"、Alan Walker の "Faded" のリミックスと続く。そんな中でも特に印象的だったのは、ステージで飛び跳ねる Dash Berlin の姿……!
両手をこれでもかと高く上げ飛び跳ねる姿は、本人もこのステージに Dash Berlin の名前で戻ってこれたことを嬉しく思う気持ちが爆発しているように感じられた。


日本のフェスでもお馴染みの Afrojack(アフロジャック)の登場曲は、まさかの ID。筆者はオープニングにはlてっきり最新曲の "1234" がくると予想していたため、これは意外だった。ただ、開幕早々フロアはブチ上がっていたので、リリースが楽しみな曲であることに間違いない。"Hey Mama"、"No Beef" など人気曲が流れると、歓声が沸き立つ。また、"Bring It Back" や David Guetta と Justin Bieber の "2U" の Afrojack リミックスのドロップで使われるサイレンのようなサウンドが、いかにも「フェスに来た」感を演出してくれる。この独特なサウンドを聞いて、一緒に参加したイギリス人の友達も”This is Afrojack!!" とテンションを上げていた。まさに Afrojack 節である。


Zedd のプレイ時はちょうどサンセットの時間で、沈む夕日を見ながら会場のみんなで "The MIddle"、”Stay" を熱唱するのは海外ならではの体験だったのかもしれない。ファンたちは、自分の声がステージまで届く勢いで大熱唱していた。Zedd の楽曲は "Clarity"、"I Want You To Know" など女性ボーカルが使われることが多い。透き通った歌声、美しいサビのメロディー、茜色に輝く夕焼け。これ以上何もいらないと思ったほど最高な瞬間だった。
 

筆者は正直、今回 Ultra に参加するまで Eric Prydz については何曲か聴いたことがある程度だったが、今回の Ultra Austra.lia で一番印象的なステージを見せてくれたのは彼だった。
VJ、サウンド、ライトなど全てがマッチし、会場全体が一つの異次元空間であるかのように感じさせてくれるステージング。ドロップまではあまりライトは使わず、ステージだけが照らされていたが、その演出も最高にカッコ良かった。ドロップに入ると一気に VJ の映像が流れ、同時にライトが会場全体を照らし、会場の興奮を最高潮へ誘う。筆者はこのライブで、すっかり Eric Prydz の虜となってしまった。本当に素晴らしいので、ぜひ YOUTUBE の動画等で彼のフェスでのプレイをチェックしてみて欲しい。

フェスのトリを務めたのは DJ Snake。 DJ Snake と言えば、フランスのパリで行われた彼の単独ライブでの群衆のモッシュ映像が話題となったばかりだが、そんなカリスマ性溢れる DJ Snake は幅広い楽曲を自身の MC と共に使い分けていた。MC でオーディエンスを盛り上げ、"Propaganda" など、激しめのダブステップ調の曲でさらに盛り上げる。かと思えば、プレイ終盤に掛けて ”Let Me Love You"、"Middle" などの曲でチルな雰囲気を作り出す。緩急をつけるのがとにかく上手い彼のセットは、様々な人種、そして、アートと音楽に溢れた街、メルボルンの人々の心を完全に Rock していた。
 

今回、世界中からレイバーが集まる ULTRA AUSTRALIA に参加してみて感じたのは、ダンスミュージックは国境を超えるということ。フェスの醍醐味の一つとして、人種を超えた友人を簡単に作ることができることが挙げられるが、実際、自分はイギリス人の友達2人と ULTRA AUSTRALIA に参加し、行く先々で友達が友達を呼び、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、中国など、多種多様な国から来ている人たちと一緒にフェスを楽しむことができた。
逆に、日本のフェスには日本以外の国から参加しに来る人もいる。ダンスミュージックという共通点を持ったもの同士、仲良くなりやすいので、ぜひ海外からの参加者に話しかけてみてはいかがだろうか。様々な国に友人ができれば、次回は海外のフェスにその友達と参加する、なんてこともできるかもしれない。

Written by Yuki Yamauchi