ニューヨークのインターネット・マーケティング企業「Maven Road」の最近の調査によると、ダンスミュージッックファンの45%が新型コロナウイルスのパンデミック時にライブストリーミングにお金を払っていたという結果となった。

EDM は世界で3番目に人気がある音楽ジャンルで、推定15億人がダンスミュージックを定期的に聴いている。パンデミックの間、ライブストリーミングの人気が世界中で大幅に高まったため、ダンスミュージッックファンの多くは音楽を楽しみ、共有し、他の人々と交流し、様々な音楽関連のオンライン・ショーやイベントで最新情報を入手し続けた。


最近の研究 “Dance Music, These Days” では、ダンスミュージッックファンの特徴を更に深く掘り下げているが、この調査について「Maven Road」の COO/共同創設者の Paul Herrera は次のように述べている。

2019年から2020年までの Twitter でのダンスミュージッックファンのリンク共有行動の分析により、ライブストリーミングに関連するコンテンツがユーザーが共有する全てのタイプのコンテンツの中で最も高い増加率(8%から30%)を見せていることが明らかとなったため、ライブストリーミングは間違いなくダンスミュージックファンの重要なルーチンの一つとなった。

また、ライブやフェスが1年以上なかったため、David Guetta(デヴィッド・ゲッタ)や Martin Garrix(マーティン・ギャリックス)といった世界クラスのアーティストは、ユーザーが楽しめる非常に魅力的なオンライン音楽体験を作り出すことで、新たな現実に適応する必要があった。対面体験を再現するために、オンラインセットはますます精巧で視覚的・刺激的なものになり続けている。

更に、ダンスミュージックのファンがオンラインスペース内でどのように相互作用し、コミュニティを構築するのかを理解するために行われたライブストリームチャットとサブレディットについての調査によると、Twitter におけるダンスミュージックファンのプロフィールを分析すると、ほとんどのファンが自身のプロフィールの中で「ミュージシャン」「DJ」「プロデューサー」であると答えている、つまり自身を音楽業界関係者であると認識しているとの結果が出た。更に、ほとんどのファンがユーザー間の繋がりを促進する「コミュニティ構築」と「私生活」について会話していることも明らかとなった。これらの会話では、日常生活についての挨拶やコメント、コミュニティの歓迎的な態度も強調されていた。


またダンスミュージックファンは、アメリカ版2ちゃんねるとも表現される掲示板型ソーシャル・ニュースサイト「Reddit」のようなプラットフォームが、以前にイベント等で知り合った人々との繋がりを維持し、過去のショーの思い出やジョーク、ミーム、逸話、ビデオを共有するのに非常に価値があると考えているとのことだ。
更にユーザーたちは、一般的に日中より夜間の方が音楽のストリーミングに関心を持っており、一部のユーザーは "雰囲気" のためにチャットを開いたまま他の音楽をよく聴くとも述べている。

そして、ゲーム、ストリーミング、クラブアクティビティへの関心の高まりにより、ヴァーチャルクラブ、オンラインイベント、DJ のライブストリーミングがファンの間で人気を博しているが、その結果パンデミックの際にオンラインプラットフォームにダンスミュージック会場が出演し、ファンはそこで交流することによりコミュニティへの帰属意識を取り戻すことができたと述べられている。