Outkast(アウトキャスト)のメンバーであるラッパーの André 3000(アンドレ・3000)が約20年ぶりに、そしてソロとしては初となるアルバム『New Blue Sun』をリリースして注目を集めている。同アルバムで André 3000 はラップを封印しているばかりではなく、デジタルフルートの演奏による完全なインストゥルメンタル・アルバムとなっており、周囲を驚かせた。
 

先週金曜にリリースされた『New Blue Sun』について、André 3000 は NPR に対して以下のように語っている。

自分はいつも、自分に何ができるかを模索し、その波に乗っているだけだった。

ラップが僕をプロデュースに導き、プロデュースが僕を楽器演奏へ導き、そして楽器が僕をここまで導いてくれるとは思ってなかった。……僕はこれが更に未来のことだと考えている。

2006年、Outkast が創作活動を休止すると、André 3000 は半隠遁生活に入り、ジャズ・アーティストのジョン・コルトレーンのレコーディングに没頭し、サックスとバスクラリネットを演奏するようになった。そこから最終的にフルートに転向し、演奏している様子も撮影されていた。

『New Blue Sun』にて André 3000 は、パーカッショニストの Carlos Niño(カルロス・ニーニョ)、ギタリストの Nate Mercereau(ネイト・マーセロウ)、キーボード奏者の Surya Botofasina(スーリヤ・ボトファシーナ)といったロサンゼルスのジャズ・ミュージシャンの仲間たちのサポートを受けつつ、デジタルフルートでしなやかなメロディーラインを演奏している。

アルバムのオープニング・トラックのタイトルは「I swear, I Really Wanted to Make a ‘Rap’ Album but This Is Literally the Way the Wind Blew Me This Time.(誓って言うが、本当に "ラップ" アルバムを作りたかったが、これは文字通り、今度は風が吹いた方法だ)」というもの。冗談めかしたユニークなタイトルとは対照的に、その曲は切なさ漂う心地良いサウンドのゆったりとした美しい曲に仕上がっている。

同アルバムは Outkast のときのサウンドとは全く違ったものとなっているが、これまた多くの音楽ファンの耳を惹きつけるような素晴らしい傑作であることは間違いないだろう。Dimlite(ディムライト)や The Cinematic Orchestra(ザ・シネマティック・オーケストラ)等が好きな人は間違いなく好みのタイプのアルバムなのではないだろうか。

なお、オフィシャルショップ ではレコードの他、アルバムTシャツ等もいくつか販売されているが、これがまたなかなか可愛いので一部紹介したい。

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