学生の街、自由と独立の街、フィラデルフィア。Jay-Zやジャジー・ジェフ一派のヒップホップ&ニューソウル勢が目立つところだが、ハウス方面のキーパーソ\ンがキング・ブリットである。生っ粋のフィラデルフィア育ちの彼は、小さい頃からソウル、ファンク、スカ、ニューウェーブといった多様な音楽に親しみつつ、ロ-カルのクラブでDJを開始。92年にはディガブル・プラネッツのライブDJを務める。94年頃からリミックスやプロダクションも開始し、同郷のジョシュ・ウィンクとOVUMレーベルを設立。そしてシーンに浮上するきっかけとなったのが、King Britt名義でリリースしたシングル「The Reason」、Sylk 130という名義でリリースした70'sファンクへのオマージュアルバム『When The Funk Hits The Fan』である。特にシングル・カットされた「Last Night A DJ Saved My Life」(イン・ディープのカバー)でフランソワ K.が素晴らしいリミックスを施し、ディスコ・サウンドのルーツに立ち返ったようなグルーヴィーな音が、フィリーの全盛期を多くの人に思い起こさせたのだ。そして、ルーツに立ち返った80'sのブラック・ミュージックを繰り広げる'Sylk 130'、未来志向のトランス感覚が特色の'Scuba'といった数多くの名義を使い分け、作風もハウスからシルキーなソウル、ジャジービードで何でもあり状態。MAWやムードIIスウィングといったNYのDJたちはもちろん、4ヒーローなどとも親交が深く、あっと言う間にダンスミュージック界のVIPとなってしまったアーティスト。ジョセリン・ブラウン、ブランディ、Gラヴ&スペシャル・ソースなど多くのリミックスも手がけている。そして彼のまわりには独自のファミリーのようなシーンができている。彼の後進ともいえるキーボード&パーカッション奏者=オバ・ファンケのほか、アルバムにはいつも多くのミュージシャンやヴォーカリストが出入りしている。また、自身のレーベルFIVESIXを立ち上げ、Jody WatleyやMichelle Sharrowなどのリリースも行い、PARK HYATTホテルのコンピレーションon the Seventhなども手掛ける。また、昨年のリリースラッシュでは、Slip N SlideよりJazzmentalシリーズ第一弾コンピレーションを手掛け、夏には、Sister Gurterude Morganのアルバムをプロデュース、彼独自のロックテイストで新たな側面を見せ、今流行の音の幅の広さだけでは出し得ないレベルの作品で再び話題となっている。9月にはベストアルバム/リミックスアルバムの2枚組を、Swank RecordingsからLate Night シリーズのコンピレーシ...
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